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「歯はみがいてはいけない」レビュー。歯磨きが大事だと思う人は一度は手にとって見た方がいい本

「歯をみがいてはいけない」というタイトルについて思ったこと

「歯をみがいてはいけない」。
この本は良書である。こういうタイトルの本だから、人によっては「そんなわけねーだろ」とか、「そりゃ口くさくなるだろ」とか、「ああ、これは何か逆説的なトンデモ本なのかな?」などという思い込みと判断で、書店でこの本を見かけても手に取るまで至らなかった人もいるだろう。僕もそうだった。しかしこれはとてももったいない行為だ。
本のタイトルというのは、人の心に一瞬で残るように、一度手にとってもらえるようにインパクト重視でつけられることがあるので、タイトルが内容の全てを表しているのではないことは、本をよく読む人なら知っている。本の内容は、ざっとでも本を全部読むか、最低でも目次を見ないと方向性が見えない。そもそも1行で本の中身を表すのは無理な話だ。「〜してはいけない」、といったタイトルも、過去のベストセラーからの流れを組んで付けられたタイトルであるのはなんとなくわかる。しかしこの本のタイトルはいささか損をしている感じがした。もっと、「歯磨きの新常識 〜間違いだらけの今までの歯磨きをやめよう〜」とか「デンタルフロスこそ歯磨きの主役だ!そして唾液こそ頼るべき力!歯ブラシは主役ぶってるけど超脇役だぞ」とかにしたら内容も伝わるのに、と思った(それで売れるかどうかはわかりません)。

前置きが長くなりましたが、この本で印象に残った点をいくつか書いてみたい。

なぜ食後すぐに歯磨きしてはいけないのかがこの本に書いてある

最近よくテレビで言われているのが、食べ物を食べたあとすぐに歯を磨いてはいけない、ってことだ。これは随分いろんな番組で言われているから、僕もそういう風にしている。でも、なぜすぐに磨いてはいけないのかについては、なんで?って言われたら答えられない。僕が以前行っていた歯科医院の歯科助手か歯科衛生士さんに聞いた時も、「できれば毎食後にしてください。」と、確かに言われた。実際はどうなのだろう。答えの一つがこの本に書いてあった。

石のように見える歯ですが、飲食後の歯の表面は非常に傷つきやすく、軟らかい状態。そこで歯磨きをすると、(中略)ダメージを与えられます。加えて、食後の一番強いときの唾液を口の外に”ぐちゅぐちゅぺー”して吐き出してしまい、その効果をみすみす手放してしまうことにもなります。(p7)

え?歯が軟らかくなる?初耳なのですが。知らなかった。それで歯ブラシで傷つくからだめなのね。あと、この本によると、唾液が超重要であるようだ。食後の良い唾液を何洗い流しとんねんアホか(そんなことは書いてない)という感じだろうか。 唾液をさらに出すためにもガムがいいとのこと。

デンタルフロスの方が歯ブラシより重要という衝撃

歯ブラシよりもデンタルフロスの方が何倍も大事です。(p5)

歯と歯の間に「唾液の通り道」をつくり、先ほど紹介した唾液の効果をしっかり得ることができるからです。(p7)

デンタルフロスは歯垢除去という観点では3列歯ブラシの何倍も有効です。(p55)

えっ、まじですか。どっちかっていうと、デンタルフロスは最後の仕上げのイメージだったんだけど、この本を読むと、フロスちゃんがメインに昇格しそう。思い返すと、歯磨きをすごくがんばって、もうなんも取れないぞ、という状態でデンタルフロスをやると、ごそっと取れて、今までの頑張りはなんだったのか?と思うことがよくある。今までは、あー、歯磨きめんどくせー、と思った時も頑張って歯磨きはしていたが、その後のデンタルフロスがさらにめんどくさくてやめてしまうことがあったが、フロスの方が大事なのであれば、これからは順序を逆にしてフロスからやろうかな?そうすればフロスは必ずかけられるし。

ちなみに僕が使っているフロスはジョンソンエンドジョンソン社から出てるリーチのワックスつきのフロス。一般的なやつである。他のメーカーのフロスだと入らない細い隙間もこれなら入る。これしか使えない。

フッ化物配合(フッ素)の歯磨き粉は15歳から40歳の人はほとんど効果なし

15〜40歳の人は、フッ化物配合の歯磨剤を使っても、フッ素の恩恵をほとんど受けることができませんので、必要ありません。(p91)

うおーい!!これさらっと書かれてたけど、一番衝撃的なんですけど。。。フッ素が大事と思って歯磨き粉を結構さがしたんですけど!!意味ないんかーい!!こういう発見があるから本は面白い。これ歯磨き粉のCMで思いっきり言ってほしいな。若い人と、40オーバーの人には効果があるとのこと。

ちなみに僕が気に入っている歯磨き粉は一時期話題になったチェックアップスタンダード。泡立ちが少なくて磨きやすく、フッ素含有量も950ppf高いから。これに変えてちゃんと歯磨きするようにしたら、歯医者さんによく磨けていると言われた(それは歯磨き粉の効果というよりも自分の意識があがっただけもしれないけどね)。チェックアップ系は歯医者に行くとおすすめで置かれていたりするからいいのかな、と思ったりしている。

結論:「歯をみがいてはいけない」は歯に関する新しい知識を得られる読んで損はない本である

上記の他にも、舌まわしやあいうべ体操のすすめ、音波ブラシのすすめ(超音波ブラシとは違う!)、ガムの選び方、海外の歯科医療との違い、日本人は口が臭いって言われてる、金属の歯の詰め物に含まれるパラジウムについて、フッ素や市販の歯磨き粉のだめなところ、おすすめ歯磨き粉の名前、今後の日本の歯科に対する思いなどなど、盛りだくさん189ページわたって書かれているから、タイトルで敬遠していた方も、一度読んでみてから判断した方が良いかも。少なくとも、僕は役に立つ本だと思う。

尚、本の中で、フッ素含有量の法律上の上限が1000ppmとあるが、1500ppmまで引き上げられることになった。

JDMA日本歯磨工業会

ライオン/フッ素を増量して「クリニカアドバンテージ ハミガキ」新発売 | メーカーニュース

それでも、歯磨き粉はフッ素以外の要素も重要であることは本書を読めば明白である。

ちなみに、この本を読み終わった後、フィリップス社のソニッケアー音波歯ブラシが欲しくなるので注意です。僕も買ったらレビューしようかな。

あとがき

この本に限らずこういう医療系の情報を読むとき、素人はどうしたらいいのだろうかと思うことがある。
僕はアドバイスなどできる立場にないが、僕としてはとりあえず内容を完全には鵜呑みにしないようにしている。怖いから。一人の人に完全についていってしまうと、気づいたときにとんでもない位置に自分が立っていることがあるからだ。(それが芸術や職人的な分野であればいいこともありそうだが医療系はリスキーだ)。
実際のところは、何を信じるかよりも誰を信じるか、という話にウェイトが置きたがる自分だから、信じられるお医者さんを、リアルでも本の中でもいいから何人か見つけることが大事かなと思う。これをセカンドオピニオンって言っていいのかもわからないけど、例えば歯医者を並行して2箇所行くのは実際問題難しいから本も読んで知識を更新している。いくつかの項目を自分の中で分けて、この項目はいつも行く歯医者さんを信じる、このケースについては最新情報の方が良さげだからこういった本も取り入れる、という取捨選択をする。基本的には、ちょっと数冊本を読んで勉強した自分が、何年も医療を勉強して医師や歯科医になって患者と向き合って日々新しい発見をしているお医者さんの知識量を超えるわけがないのだから、そういう日々努力されている何人かの専門家の意見を本から得られるのは良いことだ。本の内容が本当か嘘かの判断は専門家でないとわからないことも多いから、他の人のレビューも信じる度合いのひとつの目安になる。そして良いと思った知識を取り入れる。取り入れた知識が、今までの習慣と違うなら、少しずつ変化していくのがいいかと思っている。 でも時々思い切りが必要なケースもあるから、難しいんだよなぁ。そういうときはやっぱり最終的には身近な人の意見が大事かな。